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■ 「十鐘山房印挙」
十鐘山房印挙とは、1883年(光緒9年)、陳介祺が71歳の時につくった印譜集です。(陳介祺の家は十鐘山房と名づけられていた)
今まで数多くの印譜集が作られてきましたが十鐘山房印挙は「印譜の王様」といわれ、また、十部しか作られなかったため、骨董価値が非常に高い印譜集です。
では、なぜ、「印譜の王様」といわれるのか?
まず、集録されているハンコの数がすごい。 1枚に1印が押印され(両面~6面に彫られているハンコもあります)30挙191冊に分けられていますが、そのハンコの数、なんと1万数百もあります。何しろ1万以上のハンコがあるのだから、押印するだけで1,2年はかかっただろうと言われています。
次に押印されているハンコがすごい。 押印されているのは、陳介祺が自身で集めた中国、戦国時代~漢、魏晋時代つまり2000年ほど前に使われていたハンコです。これらの時代は、文字の変革期であり、文字(漢字)が完成された過程の時代であり、印譜を見れば、その時代時代の特徴を見ることが出来ます。また、現在の日本へ受け継がれてきたハンコの基礎が出来た時代でもあり、また、芸術的観点から見てもハンコの歴史上最高峰だといわれ、現在、印刻者にとってお手本とされています。ちなみに紙幣に印刷されている印影の書体を「印篆」といいますが、印篆の字書はすべて漢時代のハンコが基になっています。
最後に印譜の状態がよい。 陳介祺は有名なコレクターでもあるが、古印の研究家とも交流が深く、自らも研究していたので、質の高いハンコを集めることが出来、状態の良いもの、さらに印箋・印泥などを厳選し、当時では最高の環境で押印していると思われます。
以上の事から、十鐘山房印挙は「印譜の王様」といわれているのではないでしょうか。実際、十鐘山房印挙の印譜は様々な古銅印譜集の印刷本の原稿に使われています。
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